Salvation Ch. 4 >3

Aug 13, 2006 23:20



『Salvation ――救済―― 』 の翻訳を更新しました。Here is the new part of the translation of Salvation.
スラッシーな内容に、ご注意ください。Please be warned of slashy contents.

Author: Isis様 (isiscolo)
Rating: 時々18禁 (Occasionally NC-17)
Pairing: Snape x Draco (その内リバあり)
Previous: これまでのお話
Summary: あらすじ

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このスラッシュの翻訳は、原作者のIsis様 (isiscolo) のご許可をいただいて掲載しております。
原作はこちら: http://hieroglyfics.net/hp/salvation.htm

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ビンセント・クラッブとグレゴリー・ゴイルが談話室で連(つる)んでいる様子や、ドラコが近づくとぷつりと会話をやめる様子から察するに、奴らは間違いなく何かを企んでいる。ドラコは嫌な予感がした。自分の子分でいるうちは良かったが、自らが護衛隊に仕立てあげた間抜けどもに牙を向けられるのは、気に食わない。奴らはまだ敵とまではいかなかったが、最早友人ではなかった。尤も、過去において友人であった例(ためし)があるかというと、答えは否だったが。あいつらはまだ父に、報告を続けているのだろうか。

「おう、マルフォイ」ゴイルが談話室の向こう端から手を振っている。

「何だよ」ドラコはわざとらしく教科書を左右の手に持ち替えながら言った。『今すぐ勉強しなくちゃいけないから、君のために割いてる時間はないんだ』という意思表示だが、まあ伝わらないだろう。

「宿題の星図を描いてみたんだけど、合ってるかどうか見てくれないかい?この線を見てると頭痛がしてきてさ」

「自ら考えたまえだ、ゴイル。君にできるのならね」

ゴイルは陰険にドラコを眺めた。「君はいつもすっごく親切に宿題を手伝ってくれるって、親父に話してたんだぜ」

ドラコは鋭く睨みつける。「親父さんには、ほかに何を話してるんだ?」

ゴイルはにやりと笑ってから、獰猛な顔を『無実の罪を着せられて心外だ』という表情に整えようとした。

ドラコは溜め息をつく。この年月、ゴイルのために宿題の半分以上をしてやってきた。それと引き換えに、この図体ばかりでかいうすのろは、ドラコが恐喝しようと思った奴、もしくは、ただ単に気に食わない奴を、ぼこぼこに殴ってくれた。ドラコはゴイルの隣に腰を下ろし、羊皮紙を引き寄せる。「分かった、見てやるよ」

わけの分からない位置にあった乙女座を牡牛座に直してやり、これじゃあ海王星が逆方向へ進行してることになると、ドラコが説明していると、パンジー・パーキンソンが入ってきた。

「ゴイル!クラッブから伝言よ――うわっ!」ドラコとゴイルの机に向かってきていたパンジーは急に転んで、勢い良くドラコに凭れかかってしまった。ゴイルの宿題の羊皮紙が辺りに飛び散る。「うわ、ごめんね。これ、あなたの?」パンジーは羊皮紙を床から拾いあげた。

「また僕の膝に乗りたくて堪らなくなったのかい、パンジー?」

パンジーはむっとした顔でドラコを見あげる。「やめてよ。本物の男性を知った今となっては、あなたみたいな餓鬼には興味ないわ」ローブのまえを払うとパンジーは立ちあがり、ゴイルに向き直った。「今クラッブと話してたんだけど、夕食まで居残りに行かなくちゃいけないから、シッドに餌をやっといて、ですって」シッドはクラッブのガマガエルで、そのずんぐりむっくりぶりは飼い主にそっくりだった。

「分かった、じゃあ、今やるよ。手伝ってくれてありがとな、マルフォイ」

ドラコはのろのろと自室に戻った。丸々十五分もあの猿のために使ってやったというのに、きっと何の役にも立っていないに違いない。そろそろ自分の宿題に取りかからないと。閉口することにセブルスは、宿題を片づけない限り、夜半に地下牢を訪問することを禁じていた。

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