Salvation Ch. 4 >2

Jul 29, 2006 19:56



『Salvation ――救済―― 』 の翻訳を更新しました。Here is the new part of the translation of Salvation.
スラッシーな内容に、ご注意ください。Please be warned of slashy contents.

Author: Isis様 (isiscolo)
Rating: 時々18禁 (Occasionally NC-17)
Pairing: Snape x Draco (その内リバあり)
Previous: これまでのお話
Summary: あらすじ

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このスラッシュの翻訳は、原作者のIsis様 (isiscolo) のご許可をいただいて掲載しております。
原作はこちら: http://hieroglyfics.net/hp/salvation.htm

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朝食の席で外出禁止の件が告げられると、生徒たちは不満を露にしてざわめいた。スネイプ自身は、自分の外出が禁止になろうとなるまいと興味はない。数ヶ月まえ、悪質なポートキーの魔法を掛けられたエーテル瓶の事件が起きて以来、ホグズミードの薬局に出むくことはとうに諦めていた。必要なものは全て梟便で注文し、ハウスエルフによって届けられている。

放課後、研究室で小論文の採点をしていると、ドラコが扉を叩いた。「ホグズミードでいったい何が起こってるんですか?」

「君には関係のないことだ」

ドラコは椅子の背を掴み、筆記机に引き寄せて腰を下ろす。「子供扱いしないでください。勿論関係あります」

「ほう、そうかね。ホグワーツという牢獄から逃れて、独り、闇の帝王退治にでも行くつもりか」

ドラコはドアの方を見やってから視線を戻し、お願いと言いたげな眼差しを投げかけてきた。スネイプは溜め息をつき、杖を取りあげる。「アドヴィジロ」扉は一瞬白熱したように輝きを放ち、忽ち元に戻った。

ドラコは机越しに身を乗りだすとスネイプを見つめ、小首を傾げて微笑する。スネイプは再度嘆息し、端整な唇に軽く口づけると、採点に戻った。

「あいつら、セブルスを捕まえようとしてるんだと思います。皆の裏切り者であるセブルスを」

「ご実家からの手紙かね?」

「それもあります。多分またセブルスを馘(くび)にしようとしてるんです。クラッブとゴイルの様子が最近おかしいし。絶対あいつら何か企んでます。それとも、何らかの企てを知ってるか」

スネイプは鋭い眼差しで見あげる。「間諜(かんちょう)ごっこをするんじゃない」

「それ以外僕に何ができるって言うんです?」ドラコは歯軋りするように言った。スネイプはその口気の苦々しさに胸を突かれる。「父はまだ僕に、お行儀良くお利巧なデスイーターになって欲しいと思ってるんです。勿論、跡取り息子が、お膳立てした道筋から外れようとしてることが分かったら、今のぬるま湯状態は望むべくもありませんけど」

スネイプは、ドラコが授業中にひどく馬鹿なことを言ったかのように睨みつけた。「君は殺されるかもしれないのだぞ、気をつけないと。もしくは私が殺されるか」

「だからセブルスが殺されないように、僕は頑張ってるじゃないですか」

「今一度言っておく」スネイプは冷静に続けた。「殺されないようにすることに掛けて私は、君よりよほど経験豊富で長けているということを」

ドラコは頭を左右に振って微笑む。「じゃあ、これからもその勘を鈍らせないでくださいね」少年は視線を落とし、しばらく床の模様を眺めてから見あげた。「今夜……?」

「今すぐ君が出ていって、私が仕事を片づけられるのならば」

立ち去るドラコを眺めながら、なぜ若者はああも地球が自分の周りを回っていると揺るぎなく確信しているのだろうか、自分が世界を救わなければ誰も救わないと思っているのだろうか、と考える。あいつはいったい自分を何だと思っているのだろう。まさかハリー・ポッター気取りでもあるまいに。

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