Habitué Part 10

Aug 26, 2007 15:20


『Habitué ――常客―― 』 の翻訳、最終回です! Here is the last part of the translation of Habitué!
スラッシーな内容に、ご注意ください。Please be warned of slashy contents.

Author: Anise様 (anise_anise)
Pairing: Snape x Draco
Rating: 再び18禁 (Once Again NC-17)
Previous & Summary: これまでのお話 & あらすじ
Original Work: 原作 ※この翻訳は原作者様のご許可を頂いて掲載しております

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もう沢山だ。スネイプは無礼な動きを続ける手を掴みあげると、細い手首に指を巻きつけ、力を込めて引き剥がした。「君という奴は」

乱れた息を整えるために目を瞑り、深く息を吸いこむ。再び目を開けると、少年は、ほのかに頬を染めて佇んでいた。この頬に差している紅は、怒りからくるものか、あるいはまた、べつの要因があるのか。二人とも震えている。ドラコの手首を締めつけていると分かっていながらも、スネイプは、力を緩めることができなかった。目の前の乳色の肌からは、甘やかな香りが漂ってくる。この肌に口づけたら、どのような味がするだろうか。もはや聞こえるのは、二人の荒い息遣いと、自分の耳を駆け巡る血流の音のみ。

と、ドラコは優雅に片眉を上げ、気障に笑った。

スネイプは低く唸ると、つかんだ手に力を込め、ドラコを乱暴に引き寄せる。重ねられた胸から、ドラコの心臓の鼓動が伝わってきた。突然、ブラックが少年を壁に組み敷いている場面が、鮮烈な怒りとともに瞼の裏に蘇る。どちらが先に動いたのかは分からない。気が付くと、スネイプは、これまで味わったこともないほど、柔らかく温かな唇を貪っていた。

罪の味のする熱い口腔に舌を差しいれると、ドラコは鼻から抜けるようなため息をつき、爪先立って応えた。ドラコの空いている手が、自分の肩をつかみ、布地越しに爪が食いこむのが分かる。まず念頭に浮かんだのは、研究室でかつての生徒を――非常に年若いかつての生徒を――犯さんとしているという事実。次の瞬間浮かんだのは、もはや自分を抑えることはできないということ。

スネイプは少年を机の縁に押しやると、口を離した。「この、馬鹿で、生意気で」

ドラコはスネイプの首に手を伸ばして引き寄せ、その言葉を呑みこむようにして口を塞いだ。スネイプは、促されるまま再び唇を重ねると、体重を掛け、ドラコを机に押しつける。ドラコは身体を仰(の)け反らせ、倒れまいと、スネイプの肩にしがみついた。ようやくドラコの手首を離すと、スネイプは、少年の腰に手を回し、机の上のものを闇雲に脇へ押しやる。羽筆が机を滑り、墨汁壷が派手な音を立てて床に落ちた。スネイプはドラコの頭の下に手を添え、絹のように柔らかい銀髪に指を絡ませながら、少年を天板の上に横たえた。ドラコがスネイプのローブの留め金に手を伸ばし、急(せ)いたように布地を肩から外す。

スネイプはすばやくローブを脱ぎ捨てると、ドラコの襯衣(シャツ)の釦(ボタン)に手を掛けた。その間にも、口は互いの唇を貪り、指は互いの身体を探る。二人は息継ぎのために唇を離すわずかの間さえ惜しむように、繰りかえし互いを掻き抱(いだ)いた。

今や少年の絹地の襯衣は開(はだ)け、まぶしいほど白い肌を晒している。ドラコはスネイプの襯衣を半ばまで開けたものの、硬くなった乳嘴(にゅうし)を舌先で弄ばれると、快感に呑まれるように腕を脇に落とした。スネイプはその腕を両手で甲板に押しつけると、唇でドラコの上半身を辿りはじめる。まず華奢な鎖骨の下の肌を吸いあげ、喉元の雪肌(せっき)に舌を這わせると、ドラコは背を反らせ、絶え入るような喘ぎを漏らした。その甘い声はスネイプの下半身を直撃する。スネイプはなおも唇でドラコの痩身を下へと辿り、脇腹の肌に口づけた。ドラコはすすり泣くような声を上げ、身動(じろ)ぎする。スネイプは二人の間に手を差しいれ、ドラコのズボンを開けると、身体を起こし、再度情熱的な接吻を交わした。果たしてこれほどまでに我を忘れたことが、かつて、あっただろうか。

完璧なまでに美しい身体を、隈なく口で探索し、味わいつくしながら愛撫すると、ドラコは切なそうに身を捩らせ艶やかな声を上げた。自分の下で肢体を広げ、荒い息をつきながら、掠れた声を漏らすドラコは、貪りつくしたいほど愛おしい。この少年の何と罪深く、美しいことか。スネイプはその臍(へそ)に唇を寄せ、舌を窪みに這わせてから、さらに下へと移動した。腰紐の上の天鵞絨(ビロード)のような肌を啄みながら、スネイプはドラコの熱い塊に指を伸ばし、撫であげる。

ドラコが小さな叫びを上げた。「だ、だめ。お願い――僕、それ以上されたら、もう」

即座にスネイプは身体を起こし、ドラコの言葉を接吻で塞ぐ。「しーっ」長く扇情的な口づけを交わしたのち、スネイプは、ようやく唇を離した。「向こうを向きたまえ」返事を待たずにドラコを引きあげ、肩を抱いて向きを変える。続いてドラコの襯衣を肘まで外して腕の動きを封じると、一歩下がり、そのズボンを下着と共に引きおろした。眼前に晒された華奢な腰、そして、引き締まった尻が誘うように突き出された光景に、スネイプは思わず息を呑む。跪(ひざまず)き、少年の双丘の間に舌を潜りこませると、スネイプは、指に潤滑呪文を掛け、少年の尻臀をつかんで蕾を露にし、中指を入り口に差し入れた。想像以上の熱と圧迫感が指に絡みつく。これでは年甲斐もなく、長く持ち堪(こた)えられそうにない。

スネイプは、指を突き入れるたびに、ドラコの奥の突起を押すよう気を配りながら、ゆっくりと抜き差しを繰りかえした。ドラコは切なげな声を上げ、背を弓なりにして応える。スネイプは指をもう一本増やし、狭い筋肉を解(ほぐ)すように、二本の指を独立して動かした。空いている左手で自分のズボンを開け、痛いほど反りあがっているものを取り出し、先端に指を這わせて、先走りを塗り広げる。続いてドラコの縋(すが)るような声を無視し、右手の指をすばやく引き抜くと、立ちあがり、猛りの先端を、少年の谷間に沿って上下に滑らせてから、熱く狭い洞窟に押し入った。ドラコの身体は誘うようにスネイプを受けいれる。互いの喘ぎ声が響き合い、スネイプはより深く、より奥まで自身を捩(ね)じ入れた。ドラコが自分の下で美しい身体を捩(よじ)らせる。スネイプは一瞬息を止めると、完全に自分を埋めこんだ。

スネイプは、汗に濡れて細い首に纏わりつくドラコの後れ毛を優しく払い、熱い肌に唇を寄せた。ドラコは天井を仰ぎ、鼻から抜けるような吐息をつく。「これを望んでいたのかね」スネイプは、少年の汗の玉を舌先で掬いあげながら尋ねた。

「ええ」ドラコが掠れた声で答える。

「むしろ、あの狼野郎とその犬と一緒に遊びたかったのではないのかね」スネイプはいっそう深く少年に押し入り、その圧迫感に耐えながら声を押し出した。

ドラコは机にしがみつきながら、激しく首を振る。「違います。セブルスだけ。セブルスだけです、僕が欲しいのは。昔からずっと」

「よし」スネイプは自身をぎりぎりまで引き抜くと、再び深く突き立て、ドラコの細腰を捕らえて、激しく打ちつけた。肉壁が吸いつくように動き、スネイプを忘我の境地に追いあげる。強靭な意志を持って、スネイプは、一定の速度で出入(しゅつにゅう)を繰りかえした。ドラコが高みの手前で身悶えしているのが分かる。

「ああ、セブルス、も、もう。だめ。お願い――触って」

その甘い哀願の声だけで、スネイプは達しそうになる。

スネイプは、汗がドラコの背中に滴り落ちるに任せながら、いっそう強く攻め立て、ドラコの前に手を回し、極限まで張りつめた器官に軽く触れた。ドラコは激しく身を震わせると、背をしならせ、次の刹那、机にその快楽を滴らせた。内壁が脈打つようにスネイプに絡みつく。スネイプは神々しいものを見るように、快楽に身を任せているドラコを見つめると、最後に深く穿ち、自らも欲望をドラコの中に吐き出した。

自身に戻ってきたのは、しばしののちだった。スネイプはドラコの上に崩れ落ちるようにして、その華奢な項(うなじ)に口づけた。ドラコは瞳を閉じ、睫を震わせながら、唇をわずかに開いて荒い息をついている。その姿の何と美しいことか。スネイプも目を瞑り、ドラコの背に頬を押しつけると、ゆっくりと息を吐きだした。この少年が身の破滅を意味したとしても、離れがたいという思いに捕らわれる。

スネイプは身体を起こし、そっとドラコから滑り出た。衣服を整えながら、何食わぬ顔で言う。「ルーピンとの約束に遅れるぞ」

ドラコは肩で息をしながら振りかえった。着衣を乱した様子も、堪らなく愛おしい。「そうでしょうか」

スネイプは襯衣を留めながら、重々しく答えた。「ああ」

ドラコは動こうとせず、ただスネイプを見あげる。「でも先生、まだ僕にご用があるのでは」

スネイプは片方の口角を上げる。「ああ。まずは机を拭いてもらおうか」

ドラコは眉を吊りあげたまま、黙ってスネイプを見つめた。

スネイプは少年を見おろす。「その次は、口で充分に奉仕してもらう。もちろん、私も、それ相応の返礼をしてやろう。というわけで、君は一日中忙しくて、ほかのことをする時間はなくなるというわけだ」

「それだけですか」

「いいや、心配には及ばん」スネイプはドラコの顔を覗きこみ、軽く口づけを落とした。「しかし、この先、暇があると期待はしないことだな」ドラコの顎に沿って指を這わせる。「分かったかね」

ドラコは莞爾(かんじ)とした。「ええ、セブルス」

スネイプは、微笑み返す自分を、止めはしなかった。

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ホグワーツ城の 反対の一角では――。

「本当にいいことをしたね、パッドフット」リーマスは憮然としている恋人に話しかけた。

「あいつのためにしたわけじゃない」シリウスは鼻を鳴らし、窓から外を見る。「俺は君のために」

リーマスは笑みを含んだ。「いずれにせよ、ありがとう。あそこまでしてくれなくても良かったけどね」言いながら、後ろからシリウスを抱き締め、引き締まった胸に腕を回すと、首の根元に唇を押しあてる。

シリウスは腕の中で身体を捻(ひね)って振り向いた。「何だって、あんな野郎の力になってやろうなんて気になったんだ」

リーマスは肩を竦(すく)める。「誰だって幸せになる権利はあるからね」

シリウスは眉をひそめる。「あのスニベリー野郎でも、か」

「ああ、彼だからこそ」リーマスは微笑む。「セブルスが幸せなほうが、僕ら皆、幸せになれると思わないかい」

シリウスはしばし考えこんだ。「まあ、そうかもな」言いながら腰を屈め、リーマスの喉もとに唇を押しつける。「で、うまくいったと思うのかい」

リーマスは頭を傾け、吐息を漏らした。「うん。セブルスの性格を考えたら、かつての同級生が競争相手だなんて、我慢ができないだろうからね」

シリウスは含み笑いをすると、リーマスの肩に口づけを一つ落とし、おもむろに身体を離した。「まあ、そういうことなら、どういたしまして」肩を聳(そび)やかして、部屋を横切り、寝室へ続く扉の前で立ち止まる。「うまくいかなかったら、あの可愛い銀髪のが寝台にきてくれるのを、楽しみに待つとするよ」

リーマスは目を眇(すが)める。「だから、だめだってば」

シリウスは肩越しに振りかえって、口を尖らせた。「けち。減るもんじゃなしに。あいつ、絶対いい尻(けつ)してるぜ」

リーマスは喉の奥で嗜(たしな)めるような声を出すと、シリウスに駆け寄る。「いい尻(けつ)ならここにもあるさ」言いながら、笑いだしたシリウスを寝室に押しこみ、勢いよく扉を閉めた。

――完――

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I've finally made it to the end of the long journey again and here I am posting the last part of the translation of Habitué. :)

I'd like to thank each of my precious readers who visited my journal every time I posted a new part and who left lovely comments on my translations. Thanks so much for your kind words, miyabinohana, sukonbun, and waccawheels! (Names in the order of the first comments received. ^_^ ) If it weren't for you, I couldn't have managed to complete this difficult task!

This being my second time to work on a translation, I think I could proceed with it a little smarter than last time. I'm also pleased that I sort of mastered the challenge of maintaining the same writhing style throughout the whole story which I failed to accomplish in my last translation project.

Last but not least, I would like to express my sincere gratitude to the talented original author, Anise (anise_anise), who so kindly gave me permission to translate her work. Thank you so much, Anise, for this wonderful experience! :)

再び、長い旅路の果て迄辿り着きました! \(^o^)/

これも偏(ひとえ)に、更新をアップする度にアクセスして下さった皆様、そして、励まして下さった皆様のお蔭です。miyabinohanaさん、sukonbunさん、waccawheelsさん、私の拙い翻訳に温かいコメントを下さり、本当に本当にありがとうございました。(お名前、最初のコメントを頂いた順。 ^_^ )

今回は、翻訳連載も二回目とあって、前回よりは多少要領良く進められたかなと思います。何よりも、前回の大々反省事項であった、全編に渡る文体の統一という課題が、少しは改善出来たかなというのが、自分的にちょっと嬉しいです。

温かく見守って下さった皆様、そして、素晴らしい原作を授けて下さったAnise様(anise_anise)に、心からお礼を申し上げます。本当に本当にありがとうございました! (*^_^*)

Lala

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