Habitué Part 09

Aug 15, 2007 23:18


『Habitué ――常客―― 』 の翻訳を更新しました。Here is the new part of the translation of Habitué.
スラッシーな内容に、ご注意ください。Please be warned of slashy contents.

Author: Anise様 (anise_anise)
Pairing: Snape x Draco
Rating: もうすぐ18禁 (Going on NC-17)
Previous & Summary: これまでのお話 & あらすじ
Original Work: 原作 ※この翻訳は原作者様のご許可を頂いて掲載しております

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ルーピンが会釈をし、ブラックを伴って去っていくのを、スネイプは微動だにせず睨みつけていた。その後ろ姿が視界から消えるのを確認してから、ようやく杖を下ろす。手の中の杖は震えていた。

脇では、ドラコが心配そうな視線を向けている。

「いったい、どうなさったんですか」少年が慎重に聞いた。

スネイプは答えず、ドラコの腕を掴むと、部屋に引き擦りこみ、乱暴に扉を閉める。「何をしていたのだ」

「シリウスとお話をしていただけです。いったいなぜ――」

「シリウスだと。いつからあの――あの――犬畜生を洗礼名で呼ぶようになったのだ」

「先生がおっしゃるほど悪い人じゃないですよ。その前にリーマスとお話をしていて、シリウスが地下まで送ってきてくれたんです。いい人だと思いますけど」

「いい人だと」スネイプは嗤笑(ししょう)を漏らした。

「ええ、いい人です」ドラコは打ちかえすように答える。「もしお気づきでないのなら教えて差しあげますけど、僕と友達になってくれるような奇特な人は、もう、あまりいないんです。和やかにお話をしてただけなのに、何をそんなに怒っておられるんですか。普通に会話を楽しんで何がいけないんです」興奮で少年の頬は上気し、瞳は怒りを映した光を放っている。昨夜の夢の断片が脳裏に忍び寄る。

「目撃したものが、ただの会話であったのならば、私も何も言いはしない。しかしながら、君の、友人とやらに関する趣味の悪さに、苦言を呈さずにおれようか」

ドラコは信じられないといった顔をした。「僕の言ってることが嘘だっておっしゃるんですか」

「いいや、マルフォイ君。ただ蒙昧(もうまい)だと言っているまでだ」

「ああ、また、マルフォイ君に逆戻りなんですね。少し先生の気に入らない人とお話しただけで、もう名前で呼んではくださらないってわけですか。で、僕が蒙昧とは」

「あいつらの甘言を額面どおり受けとっている、その蒙昧さだ」

「いったい何がおっしゃりたいんです」

スネイプは机の裏に回る。「今後、いっさい、あいつらと関わりを持つことは許さん」

「許さんですって」ドラコは唾を飛ばさん勢いで、机越しに身を乗り出す。「何を考えておられるのか、何をなさりたいのか、さっぱり分かりませんけど、いったい何様ですか」声は怒りに震えている。「父親でもあるまいし」

「べつにそのようなつもりは――」

「ああ、そうでしょうとも」ドラコは憤然と机に両手を叩きつけた。「子ども扱いするのはやめてください」

「ならば、子供じみた真似をするのはやめたまえ」

「大概にしてください」ドラコが息巻く。「子供じみてるのは僕だっておっしゃるんですか。僕の話相手が気に食わないと言って大騒ぎしたのは、先生じゃないですか」

「私は大騒ぎなどしていない」スネイプは気色ばむ。「加えて、私は、君の情事の相手が気に入らないと言っているのだ、馬鹿者が」

「情――何ですって」ドラコが目を見開いた。「気でも違ったんですか。僕、シリウスとは何もありません。だって、シリウスは、結婚してるも同然じゃないですか」

スネイプは机の前に戻り、少年の前に立つと、肩を聳(そび)やかして威圧する。「それは分かっている。しかしながら、奴らは二人して、閑暇(かんか)を紛らすための新たな慰み者を探している。君に手を出すなと言っておいたのだが、あの人狼野郎は、私の警告を軽く考えているものとみえる」

「そんなことをおっしゃったんですか」ドラコは呆気に取られたといった顔をした。

「当然だ」

「保護者面するのはやめてください。それに、僕が誰と寝ようが、先生には関係ないじゃないですか。僕の恋愛に何の関わりも持ちたくないっておっしゃったのは先生ですよ」

「それとこれとは関係ない」

「じゃあ、どうして、そういうまるで恋人が嫉妬してるみたいな発言になるんですか」

「先ほどは、父親のようだと言ったのではなかったのか」

「父は僕が誰と寝ようと、がたがた言ったことなんてありません。派手にやらない限りは」ドラコが歩を進め、詰め寄ってくる。怒りとはべつの感情が少年の面(おもて)を過(よぎ)り、口角がかすかに上がった。「ねえ、いったい何が問題なんですか。ねえ――セブルス」奴が自分の洗礼名をため息交じりに囁くのは、淫らですらあった。スネイプは身を硬くしたが、辛うじて毅然とした態度を保つ。

「僕が誰と寝るか、どうしてそんなに気になるんですか、ねえ」ドラコは手を擡(もた)げると、指を大きく開いて、手首から指先に向かってスネイプの胸に沿わせた。触れている場所から伝わる熱が、焼き印のように胸を焦がす。「ねえ、どうして気になるんですか。僕がシリウスたちに抱かれたら――。ねえ。僕がどんな風にシリウスたちに抱かれるか――」ドラコは胸に置いた手をゆっくりと下に移動させ、燃えるような道筋を残していった。

喉元で息が引きつれる。ドラコは明らかに挑戦的な眼差しで見あげていた。鮮紅色の舌が先端をちらつかせ、唇を濡らす。

「マルフォイ君――」スネイプは言葉を押し出し、その声が掠れていないことに束の間の満足を得た。

「ドラコでしょ」つぶやいて、少年はなおも凭れかかってくる。「どうして気になるんですか。僕がお二人の下で身体を広げたら。求められるがままに応えたら。もっと、って言っておねだりしたら。とても口には出せないようなことをして貰ったら。恥ずかしげもなく、お二人を煽ったら。ねえ、どうして、セブルス――」今やドラコの顔は、その甘やかな吐息を唇に感じるほど近い。「ねえ」ドラコは手を下へと滑らせ、弄ぶようにズボンの際(きわ)をなぞった。

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