『Salvation ――救済―― 』 の翻訳を更新しました。Here is the new part of the translation of Salvation.
スラッシーな内容に、ご注意ください。Please be warned of slashy contents.
Author: Isis様 (
isiscolo)
Rating: 再び18禁 (Once again NC-17)
Pairing: Snape x Draco (今回リバ注意!)
Previous:
これまでのお話Summary:
あらすじ ===
このスラッシュの翻訳は、原作者のIsis様 (
isiscolo) のご許可をいただいて掲載しております。
原作はこちら:
http://hieroglyfics.net/hp/salvation.htm ===
[ << ] [ Main ] [ >> ] 「まあ君はつまるところ、何かは学んだようだな」スネイプは誇らしげな響きを隠さなかった。
ドラコが頷く。「『自ら考えたまえ』。僕、すごくいっぱい考えてたんですよ」
「それでも、君は行くべきではないと思うよ」
「分かってます……」ドラコはローブを床に滑り落とすと寝台に戻ってきた。「それでも、僕は行きます」
「分かっているよ……」スネイプはドラコを引き寄せ、強く抱きしめた。口に出して言うより、身体の方が雄弁に語るだろう。私の思いを、肌から熱のように放射される思いを、どうか汲みとって欲しい。「帰ってきてくれたら、嬉しく思うよ」
「帰ってきたら……」ドラコは耳元で囁きながら、スネイプの背筋に片手を這わせた。もう一方の手でスネイプの下半身を包みこみ、ひたと寄り添い緩やかに動く。脚は脚に絡まり、肌は肌に重ねられた。ドラコがまた硬くなっているのを感じ、スネイプは低く嘆息すると、穏やかに腰を揺する。
「帰ってきてくれたら……。そうだな」信じることにしよう。信じなくてはなるまい。スネイプはドラコの首筋を口づけで上って口に辿り着くと、誘うように艶めいている唇を奪った。覚えていて。どうか覚えていて。ドラコの唇を貪り、頬にそして蟀谷(こめかみ)に口づけを落とす。繊細な銀髪が頬を掠めた。スネイプは半身を起こし、ドラコの乳嘴を指先で弄(いら)いながら、端整な顔立ちを見おろす。悦びに集中して張りつめている表情、半ば閉じられている瞳、キスに甘く腫れた唇……。
ドラコは、熱い塊をスネイプの腰に押しつけると、囁くような吐息を漏らした。「ね……、セブルスのなかに入ってもいい?」
スネイプは、寝台脇の小卓子のうえで開いたままになっている瓶に手を伸ばすと二本の指で掬い、ドラコの手を取る。「ほら」指先に残る外用水薬でドラコの勃起を優しく潤しながらスネイプは、肩口の白い肌に唇を押しあてた。入り口を探るドラコの指の動きに合わせて姿勢を変え、身体が広げられると同時に全身の張りが和らぎ、血流が体内を巡るのを感じる。
ドラコは、聖堂の門を潜るがごとく、厳かに這入ってきた。まるで二人とも繊細な硝子細工でできているかのように――。しばしのあいだ二人は、ゆっくりと揺れ動いていた。切迫した情欲からではなく、互いを愛おしむように、慈しむように。両者を突き動かしているものは、もしかしたら愛かもしれないと思わせるほどに――。
「セブルスが感じてたのはこれだったんだ……!」ドラコは灰色の瞳を見開いて、静かに息を吐きだした。
「君のなかにいるときの私の充足は、分かるまい」
ドラコが鼻に抜けるような長い溜め息をつく。「ええ……」
須臾(しゅゆ)の間、二人の身体がともに動く音だけが部屋を満たした。突き動かされるたびに電流が弧を描いて体内を駆け巡る。それはまるで、突かれると同時に自分も突いているかのような、終わりのない快楽の円環だった。自分を見つめる銀眼を覗きこみスネイプは、ドラコの瞳を透かして、その裏の裏まで見えるような錯覚に陥る。このまま共振していれば、二人を分かつものは一切消え去り、思考さえも互いに溶けあうかのように――。
「ああっ、も、もう……」ドラコが小さな叫び声を上げ、眉根を強く寄せて目を瞑った。少年が自分のなかで打ち震え、弾けるのを、スネイプは自分の戦慄のごとく感じ、引きこまれるように達した。
帰ってきてくれたら、嬉しく思うよ……。
帰ってきてくれなかったら、辛いだろう……。
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