『Salvation ――救済―― 』 の翻訳を更新しました。Here is the new part of the translation of Salvation.
スラッシーな内容に、ご注意ください。Please be warned of slashy contents.
Author: Isis様 (
isiscolo)
Rating: もうすぐ18禁 (Going on NC-17)
Pairing: Snape x Draco (その内リバあり)
Previous:
これまでのお話Summary:
あらすじ ===
このスラッシュの翻訳は、原作者のIsis様 (
isiscolo) のご許可をいただいて掲載しております。
原作はこちら:
http://hieroglyfics.net/hp/salvation.htm ===
[ << ] [ Main ] [ >> ] 真夜中。ドラコは自室を出て、そっとスリザリン談話室に降り立つ。
一時間ほどまえ、大広間から談話室に戻ってきたドラコとミリセントは、しばしのあいだ語りあっていた。しかしドラコの意識は来(きた)る真夜中を彷徨い、彼女の話を聞いてあげなくてはいけないと分かってはいても、目のまえの現在に集中することができなかったのである。その後ドラコはミリセントの頬に軽く口づけしてお休みを言い、寝室に引きあげた。自室に戻るとドラコは靴を脱ぎ、肘掛椅子のうえに蛇のごとく丸まった。様々な思いが頭を渦巻き、時計以外の何物にも集中できずに。
素足のしたの石敷は冷たかった。衣服のほとんどを部屋に残してきたにも関わらず、身体の端々が異様に熱い。ドラコは先ほどまで身に着けていた絹製の銀灰色のローブを纏っていたが、それ以外の衣服はことごとく脱ぎ捨ててきたのである。暗い廊下を密やかに駆け抜けていると、上質な生地は衣擦れの音とともに素肌を掠めた。
そして今ドラコは、スネイプの居室の扉を眼前に佇んでいた。過去、何度も叩いたことのある扉。生徒間に問題が起こったとき。監督生として寮監を呼びにいく必要に迫られたとき。しかしいずれのときも、これほど心臓が早鐘を打ったことはなかった。これほど口がからからに渇いたことはなかった。意を決し、ためらいがちに扉を叩く。
扉がすっと開き、足を踏みいれると、スネイプは黒革の肘掛椅子に座っていた。脇の低卓子には、琥珀色の液体を数インチ湛えた平底杯(タンブラー)。片手には開いた本。もう一方の手には杖。スネイプは、杖を扉に向け、呪文を呟いた。背後の扉がそっと閉まる。
まず杖を、続いて本を、低卓子に下ろすスネイプを、ドラコは吸い寄せられるように見つめた。教授は、高襟のゆったりとした黒い襯衣(シャツ)と、同様にゆったりしたズボンを身に着け、いつもと打って変わって洗い立ての髪は、烏羽のように柔らかく肩に掛かっている。こんなスネイプは見たことがなかった。
「ドラコ」
「先生」
教授の唇が微かに引き攣る。「私が教師として、生徒との関係を侵さんとしている事実を思い起こさせるのならば、大してまえには進めまい。この部屋ではセブルスと呼びなさい」
ドラコは頷く。声を発したくなかった。セブルスは滑らかな動作で立ちあがり、平底杯を取りあげた。「ウイスキーはどうだ?」
ドラコは首を振る。セブルスはウイスキーを一口啜り杯を置くと、不意に部屋を横切りドラコに対峙して、探るように目を覗きこんだ。「今、ここで立ち去ってもいいのだぞ」
深呼吸。「これでいいんです。セブルスが欲しい……」ドラコは一歩踏みだし、ためらいがちにセブルスの頬に指を置く。「約束してくれましたよね」
黒い瞳は判読しかねる表情を湛えていた。セブルスはドラコに身体を寄せ、双肩に手を置くと、ゆっくりと引き寄せ口づける。それはパンジーとの口づけとは全く違っていた。ウイスキーの煙ったような味、自分の肌に触れる荒い肌、ゆっくりと、しかし確実に伝わってくる男の体温。それら全てが執拗に訴えていた。これは自分が今まで経験してきた何物とも違うと。
セブルスはドラコの肩に手を残したまま唇を離す。双眸は強い光を放っていた。「君は、自らの選択によってここにいると誓えるか?」
「そんなこと分かってるじゃないですか」ドラコは答えたが、セブルスの眼差しはドラコを捕らえて離さない。「分かりましたよ、誓います。僕は自らの選択によってここにいます」
「君の望みは何だね?」セブルスが尋ねる。ドラコは、セブルスが、妙に改まった方法で許可を求めているのだということに気づいた。視線を床に落とす。
「抱いて……ください。恋人として」ドラコは静かに言った。
肩にあったセブルスの片手が顎に移動し、指がドラコの顔を上向ける。ドラコはセブルスの瞳の深みを見あげていた。「それならば、ドラコ」とセブルスは深い色気を湛えた声で囁く。「始めよう」
セブルスは再びドラコに唇を重ね、優しく掠めると、身を起こした。「寝室の方が快適だろう」
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A/N:
どきどき。
Lala
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