大野智‧朝日 彩・美・風 Special Column 2008.11.12

Dec 02, 2008 21:01



フィギュア100体ノック

「リアルが好き」。リアルっていうのは、自分の場合「立体的」ってこと。人に見せた時に「わっリアル」って思われる絵が好きなの。抽象的な絵より描いてて楽しいから。細かく描き込めば描き込むほどリアルになる。時間をかけて描いたやつは、人からも「これいいね」って言われるんだよね、不思議なことに。自分でも部屋で1週間くらい眺めちゃう。「よく描いたなぁ」って。

でももっと絵をリアルにしたくて、フィギュアを作り始めた。粘土で顔を作って、それを石膏(せっこう)にして型を作って樹脂を流し込むの。やり方は自分で見つけた。すごく熱くなって樹脂が溶けたり、いっぱい失敗しながら(笑)。目や歯をつまようじでちょっとずつ変えるだけでまったく違う顔ができるから、すごくおもしろくなった。一番楽しいのは飾り付けの時で、手芸の店で買った毛糸や、母親の知り合いからもらった革の切れ端なんかをフィギュアに当ててみて、悩みながら帽子や髪形を考えるの。

嵐のメンバー全員で出演した映画「黄色い涙」(07年公開)の撮影が始まった時に、「100体作ろう」って決めた。夜中に家に帰ってから朝まで、寝ずにフィギュア作りに熱中してた。それくらいやってる方が、ただ帰って寝るよりいい。帰って寝て、また撮影に行っても疲れがたまっちゃうだけだから。だったら寝ずに好きなことやって、解消した方が楽なんだよね。 白人も作ったけど、肌に茶色のスプレーをかけてみたら「けっこう黒人よりの顔立ちなんだな」と思って、結果的に黒人が増えちゃった。彫りが深く見えるのも、リアルになっておもしろいし。日本人をフィギュアにしたり描いたりする気にならないのは、やっぱり顔立ちのせいなんだろうなぁ。
http://www.asahi-mullion.com/column/saibifu/81112index.html

art, arashi, ohno satoshi

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