外国語へのアプローチ

Oct 18, 2010 22:36


非常に悲しい事実ですが、日本人は「すごく英語が下手だ」ということで有名です…。
アメリカで「英語が下手なアジア人=日本人」だと思われているくらい、日本人は英語が下手らしいです。

でも、真実はそうではないと思います。
日本人は、英語が下手なのではなく、外国語全般が下手なのです。

外国語にある程度触れている方は分かると思うのですが、日本語は、本当に、本当に特殊な言語です。「すごく似ている」という他の言語が見当たりません。そして、めちゃくちゃ難しいです。ものすごく、ニュアンスが細かい言語です。正直、こんな言語を使いこなす日本人は、すごいと思います。頭いいです。本当に日本語は難しい!!

そんな日本語を使う日本人が、第一外国語に英語を選ぶのは非常に理にかなっていると思います。
英語は、本当に、簡単です。
なんて、毎度稚拙な英文を全世界に垂れ流している私が言ったところで、非常に説得力に欠けるのはわかっています。ですが、本当に英語は簡単なのです。文法はいたってシンプルで、わかりやすい。英語以外の外国語に触れたことのある方は、実感を持ってらっしゃる事実ではないでしょうか。

もっと正確に言うならば、英語が簡単というより、英語以外の言語はもっと難しいのです。英語を第一外国語として勉強するのは、日本人にとって最善の方法だと言えます。
(もちろん、英語はシンプルな分カタコトで話す分には簡単でも、表現力をつけようとするとすごく難しい言語だと思います。日本語のようにちょっと言い回しを変えればニュアンスを変えられるというわけではないので、たくさんのイディオムを覚えなくてはならなくなります)

では、第二外国語には何が向いているのか?難しいと言っても、どれが比較的習得しやすいのか?となると、もちろん個人の資質はありますが、私は以下の言語がいいと思います。

・スペイン語
・中国語
・韓国語

スペイン語は、「英語が身についている人」という視点で見ると、かなり習得は楽です。カタコト程度ならすぐ話せると思います。実際私はまだスペイン語を始めてから2ヶ月ですが、そこそこスペイン語で意思疎通が取れるようになっています。
なぜ、スペイン語が習得しやすいかというと、発音が非常に日本語と近いからです。母音はほとんど同じです。そして文法も英語を習得していれば、それなりになんとかなります。もちろん英語に無い接続法やラテン語から引き継がれた独特の文法などもありますが、同じロマンス語のフランス語に比べても、本当に学びやすいです。スペイン語やってからフランス語やると、ぜんぜん理解が違います。(蛇足ですが、スペイン語とフランス語ができれば、イタリア語の文法はすぐ理解できるそうです)

中国語は、漢字が共通ってだけなのですが、それだけでも驚くほどわかります。もちろん細かく違う言葉はいっぱいありますが、読み書きは割と何とかなると思います。文法もかなりシンプルです。言い回しがかなり日本語とは違う面もあるので慣れは必要ですが、格活用が鬼な言語と比べると本当に簡単です。 文法だけで言えば、英語くらいの難度と思えばいいかと。
友人のSEが中国に出張になって、彼は全く中国語ができない人だったのですが、筆談だけでどうにかなってしまったそうです。もちろんコンピューターの仕事ですから、コンピューター言語という共通の言語があったにしろ、難しいビジネスですら筆談でどうにかなる漢字の力はすごいものです。
何とかならないのは発音。正直、私はピンインを見ただけでは、どんな風に発音するのかまったく想像がつきません。とにかく聴きまくって、真似て発音して身に着けていくしかないなという感じです。
「中国語は発音よければ半ばよし」と言われますが、本当にその通りです。発音が最難関だと思います。

全くどの言語とも似ていないと言われる日本語ですが、韓国語とは若干の共通点が見出せるようです。「約束」「市庁」などほとんど発音も意味も同じな単語がいくつかあります。文型もSOV。SVOだらけの言語の中、述語が最後に来るとすごくほっとしませんか!?それだけでうれしくなります。しかも膠着語なので、「てにをは」に慣れている日本人には感覚的になじみやすいです。
文字もハングルは非常に合理的にできていますので、覚えやすいし書きやすいし読みやすい。
ただ発音は、難しいと思います。韓国に行ったとき「カムサハムニダー」ってカタカナ読みで言っても通じましたが、カタコト程度ならなんとかなっても、本格的に話そうと思ったらちゃんと本腰を入れる必要がありそうです。

将来に役立てたい、ビジネスに役立てたいと思って第二外国語を学ぶなら、中国語、スペイン語を推します。もちろん、一番は英語です。英語を押さえれば、シンガポールとインドでビジネスが展開できる。これは大きいです。もちろん独特のなまりがありますが、それでもエリート層は、大抵綺麗なイギリス英語を教養として身につけているので、意外と話しやすいです。そういう意味で、ビジネス戦略的には英語もアメリカ英語よりイギリス英語のリスニングを鍛えたほうがいいと思います。時流として、アメリカよりインドやシンガポールのほうが圧倒的にビジネスチャンスは多いですから。

中国語ができると、本当にビジネスの世界では重宝します。私の知人で日本語、英語、ロシア語を仕事で使っている人がいたのですが、その三ヶ国語だけでは足りず、中国語が必要になって勉強してました。インドではヒンディ語やベンガル語を勉強しなくても英語で何とかなりますが、中国ではそうは行きません。本気でグローバルビジネスの世界で打って出たいなら、中国語は勉強して損は無いと思います。

スペイン語はビジネス的にはスペイン本国で、というより南米で使えると思います。スペイン語を学んだ後ならポルトガル語はかなり習得が楽なので、両方押さえれば中南米では怖いものなしです。(発音はポルトガル語のほうが難しいです)
経済成長という目で見ると、アジアと南米は重要な位置を占めている地域です。正直難しい思いをしてドイツ語やフランス語をやるより、キャリア的には大きなものがつかめると思います。例えばボリビアでは電気自動車の電池として注目されるリチウムが産出されます。まさに「これから」のビジネスですよね。(ウユニ塩湖はとても美しいので、開発で景観が損なわれたら悲しいなぁと個人的には思うのですが…)

実利的には、ヴェトナム語もなかなかおいしいと思います。中国語ができる"だけ"だと、正直ビジネスであまり役にはたちません。通訳も狭き門です。ただの1スキル、プラスアルファでこそ意味が出るのが中国語ですが、ヴェトナム語だと話せる人が少ないので、使えるだけで重宝されると思います。実際、よりコストのかからない環境を求めて、中国からヴェトナムへ工場を移転する企業も昨今は多いです。

いろいろと並べてきましたが、結局、その言語をどれだけ習得できるかは「使う機会があるかどうか」もしくは「その言葉を使う人たちと気が合うかどうか(その土地の文化、風土が好きかどうか)」にかかっていると思います。

日本人というのは、素晴らしい管理教育のたまものなのでしょう、非常に”平均的な人”が多い印象です。良くも無く悪くも無く、地味な印象を与える「普通の人」が多いです。
でも、海外はそうではありません。ものすごく個性が強烈です。だから、海外の人と触れ合ってみると、本当に面白い発見がたくさんあります。「こんな人と気が合うのか」「こういう人と意外と馴染めないんだ」というはっきりとした反応が自分の中で得られると思います。
そして、すごく気が合う人がいたり、ものすごく好きな文化があったりすると、非常に難解な言語であってすら、習得できてしまったりします。(こんなに難しい日本語を、海外のオタクの少なくない人たちが理解しているように!)

結局人を動かすのは「好き」の力なのでしょう。その言語が簡単か難しいかどうか考えるより、のめりこめる好きなものを見つけたほうが一番の近道なのかもしれません。
そして、こう言ってしまうと、この記事は全く意味がなくなります(笑)そう、その程度のものです。恐れ入ります、すみません。

日本語, language

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