ハッピー・ヴァレンタイン

Feb 15, 2009 23:14

Title:ハッピー・ヴァレンタイン
Author: むいむい
Pairing:House/Wilson
Rating:G
Disclaimer: All characters belong to Heel and Toe Films, Shore Z Productions and Bad Hat Harry Productions in association with Universal Media Studios.No infringement is intended.
And no profits are being made from any of the stories on this site.
*Fiction in Japanese

原案は親愛なるbittercaramel さんです♪



せっかちなハウスが電子レンジにかけたせいで、「ウィルソンのチョコレートケーキ」は溶けてしまった部分とまだ凍ってる部分がまだらになっていた。
 そのチョコレート色のカオスと格闘しているとチャイムが鳴った。ドア・スコープからのぞくと、外にはウィルソンが立っている。
「お前がもらったチョコレートのおすそ分けなんていらない」
 ハウスの失敬な応対に、ウィルソンは辛抱強く答えた。
「そんなもの持ってきてないよ」
 しぶしぶ……といった態を装ってハウスは玄関をあける。
 中に入ったウィルソンは、赤いバラを押し付けるように渡した。
「これは哀れなきみのために、ぼくが五ドル出して買ったバラだ」
「ボられたな。バラ一輪に五ドルなんて」
 ハウスがそれでもうれしそうにバラを見つめていると、ウィルソンはテーブルの上のチョコレートケーキの残骸に気づいた。
「なんだ。でっかいケーキをもらってるんじゃないか」
「おれを熱愛してる人物からもらったのさ」
「そんな変わり者がいたとはね」
 ウィルソンの声音に微妙な落胆を発見して、ハウスはほくそ笑んだ。
「その人がほかにどんなことをしてくれたか、具体的に説明してやろう」
 彼はそう言ってウィルソンの手を引き、寝室へと向かおうとする。
「ハウス」
 完全に非難する口調のウィルソンに、ハウスは種明かしをした。
「あのケーキはいつだったかお前が焼いたやつを冷凍しておいたんだ。そのときのことをベッドでおさらいしようぜ」
 直裁な物言いの方がウィルソンのお気に召したようだった。
「きみってやっぱり……バカだなぁ」
 そのあとは結構ハッピーなヴァレンタインになった。


 

drabble

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