Title:ハッピー・ヴァレンタイン
Author: むいむい
Pairing:House/Wilson
Rating:G
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*Fiction in Japanese
原案は親愛なる
bittercaramel さんです♪
せっかちなハウスが電子レンジにかけたせいで、「ウィルソンのチョコレートケーキ」は溶けてしまった部分とまだ凍ってる部分がまだらになっていた。
そのチョコレート色のカオスと格闘しているとチャイムが鳴った。ドア・スコープからのぞくと、外にはウィルソンが立っている。
「お前がもらったチョコレートのおすそ分けなんていらない」
ハウスの失敬な応対に、ウィルソンは辛抱強く答えた。
「そんなもの持ってきてないよ」
しぶしぶ……といった態を装ってハウスは玄関をあける。
中に入ったウィルソンは、赤いバラを押し付けるように渡した。
「これは哀れなきみのために、ぼくが五ドル出して買ったバラだ」
「ボられたな。バラ一輪に五ドルなんて」
ハウスがそれでもうれしそうにバラを見つめていると、ウィルソンはテーブルの上のチョコレートケーキの残骸に気づいた。
「なんだ。でっかいケーキをもらってるんじゃないか」
「おれを熱愛してる人物からもらったのさ」
「そんな変わり者がいたとはね」
ウィルソンの声音に微妙な落胆を発見して、ハウスはほくそ笑んだ。
「その人がほかにどんなことをしてくれたか、具体的に説明してやろう」
彼はそう言ってウィルソンの手を引き、寝室へと向かおうとする。
「ハウス」
完全に非難する口調のウィルソンに、ハウスは種明かしをした。
「あのケーキはいつだったかお前が焼いたやつを冷凍しておいたんだ。そのときのことをベッドでおさらいしようぜ」
直裁な物言いの方がウィルソンのお気に召したようだった。
「きみってやっぱり……バカだなぁ」
そのあとは結構ハッピーなヴァレンタインになった。
了