Habitué Part 07

Jul 15, 2007 15:49


『Habitué ――常客―― 』 の翻訳を更新しました。Here is the new part of the translation of Habitué.
スラッシーな内容に、ご注意ください。Please be warned of slashy contents.

Author: Anise様 (anise_anise)
Pairing: Snape x Draco
Rating: 今回18禁 (NC-17 for This Part)
Previous & Summary: これまでのお話 & あらすじ
Original Work: 原作 ※この翻訳は原作者様のご許可を頂いて掲載しております

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若い身体が汗に濡れ、肌も露(あらわ)に、熱く、絡みついてくる。細い項(うなじ)が、目前に晒(さら)され、スネイプは貪るように滑らかな白皙に唇を這わせた。続いて、狭く濡れた熱の中に少しずつ進入し、下に横たわる痩身にゆっくりと腰を打ちつける。滑らかに抜き差しを繰りかえすにつれ、喘ぎ声と、荒い息遣いと、悩ましい声が湿った空気を満たした。スネイプは昇りつめそうになるのを堪(こら)え、この時が永遠に続くようにと祈る。

「セブルス」

自分の名前をため息混じりに呼ぶのは、聞き覚えのある甘い声だ。スネイプはなおいっそう深く、強く、穿(うが)ち、美しい肢体が自分の下で遍身を捩(よじ)るのを感じる。ああ、まるで死んでいくかのように心地良い――。

スネイプは激しい絶頂感とともに目覚めた。このようなことは、十代のころ以来、なかったことである。暗い部屋の中で肩を大きく上下させながら、スネイプは、息を整えようと試みた。寝具は湿って粘つき、大腿(だいたい)に冷たい。スネイプは声に出して悪態をつくと、杖を手に取り、浄化呪文を唱えた。ドラコの奴、何と巧みに人の人生に入りこんできたことか。物理的にいない時にまで、邪魔をするとは。夜明け前にも関わらず、スネイプは布団を跳ねのけ、寝台を下りた。再度眠ろうと努めても、目を閉じた瞬間に、意識の前面に不法侵入してくる画像に付き纏われることが明らかに予想されるからである。スネイプはすばやく身支度を整えると、研究室へ向かった。魔法薬を調合し、授業を行っているうちに、忌々しい夢の残像が消え去ることを願いながら。

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朝食の席でスネイプは、再び、唸り声にも近い息を漏らした。ルーピンがまたもや、隣にやってきたのである。

「おはよう、セブルス」人狼は、全てお見通しだといった物知り顔で言った。

「ルーピン」スネイプは歯を軋らせながら答える。

ルーピンがため息をついた。「あのね、セブルス、正直、君があの子とやってようとなかろうと、誰も気にしてないから。皆、セブルスがやっとお似合いの人を見つけたって、喜んでるんだよ。そろそろ君も幸せになっていいころだものね。君のようなひねくれ者でも」

「私は。生徒と。寝る。趣味は。ない」スネイプは歯を固く噛み合わせながら言う。「加えて私は、マルフォイ君の貞節を脅(おびや)かすつもりもない。お前が信じようと信じまいと。今後、二度とこの話題を持ち出すのはやめてくれたまえ」言って、正面に向きなおり、匙(さじ)を取りあげた。視界の端で、阿呆のように口を開けたルーピンの視線を感じる。何があっても人狼を無視するという確固たる意志を持って、スネイプは朝食に取りかかった。

「それって、本当に本当なの」ルーピンが眉をひそめながら聞く。

スネイプは呆れて白目を向いた。「何を今さら。初めから私の言っていることを聞いていたなら、当然、本当だということが分かるだろう」

ルーピンが目を丸くする。「そうだったんだ。それなら、あの、ごめん。悪かったね、セブルス」

スネイプは顰(しか)め面をして頭をわずかに動かしたが、それ以上の返答は返さなかった。最近とみにうるさい同僚や生徒の視線を無視しながら、食べることに全神経を傾ける。

「あのさ、セブルス」

スネイプは口先まで出かかった罵りの言葉を呑みこむ。「今度は何だ」

「君がドラコと何もないって言うんだったら、あの」ルーピンが耳元に口を寄せてくる。「僕が、その、ちょっといいかな、と思って」

スネイプは顔を上げ、鸚鵡(おうむ)返しに聞く。「ちょっといいかな、だと」この狼野郎、今度は何を企んでいるのだ。

「うん。その、あの子に特定の人がいないというのなら」

何だって。「正気で言っているわけではあるまいな」スネイプは思わず怒声を発し、慌てて辺りを見まわして声を潜めた。「お前には、ブラックという奴がいるではないか」

ルーピンは悪びれた様子もなく答える。「うん。でもシリウスは気にしないさ。実際、ドラコが魅力的な青年になったって言い出して、舌舐めずりしてたのはシリウスだもの。あの子が僕たちの寝台に来てくれるなら、大歓迎すると思うよ」

あまりの驚愕に口が利けない。「お前ら、二人で、か」喉の奥から声を絞り出す。悪い冗談だろう。

「おもしろそうだと思わないかい」

スネイプは恐怖に顔を引きつらせた。狼野郎は好色そうな笑みを浮かべる。「まあまあ、セブルス。そんな堅物ぶってないで」

「私は堅物ではない」スネイプは熱(いき)り立つ。「しかしながら、年若い少年を、お前とブラックの気色悪い遊びに引きこむなど、悪趣味の極みだ」

ルーピンは冷静にスネイプを見つめる。「あの子はもう、少年なんかじゃないよ。ドラコが大人になったことに何も君が気づいてないからって、僕たち、ほかの皆が気づかないってわけじゃないからね」

スネイプは音を立てて椅子を曳き、立ちあがった。「この――議論――とやらを継続することは、謹んでお断りする」辺りの世界は狂いはじめているに違いない。速やかに脱出せねば。

「頼むよ、セブルス」

「ルーピン」スネイプは低い声でささやいた。「お前は本当に救いようのない下種野郎だな。言っておくが、その疑わしい品格を人に押しつけるのはやめてくれたまえ」行きかけ、思いなおして付け加える。「私の生徒に手を出すのも、だ」言い捨てると、スネイプは、大股で広間を後にした。

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