Sep 26, 2008 21:28
小雪が舞い始めた北極海の9月は長い冬への覚悟の月だ。世界的な原油不足で本社からは狂気じみた
増産計画が送られている。俺は作業員達に発破をかけた。「クリスマス休暇前に日量100万バレルにUP。
3交代制で掘りまくれ」一同を見回すと頼もしい兵どもは力強く頷いた。「ボーナスは現物払いだそうだ!」
笑いを合図に解散、食堂に行くとコーヒーを注ぐヴィゴの隣に立った。「あー、クリスマス休暇には…」周りの
数人がこっちを見る。くそ、誘えねえ。「…晴れるといいな」奴は飲みかけのコーヒーを噴出し、周りはこけた。
…北極油田のボスは相変わらず中学生みたいなことばっかりやってます。仕事の時はバリバリしてるのに
ヴィゴ相手だとこんなです。狭く油臭い海上プラットフォームの中で男ばっかり100人暮らし。
過酷ですがボスの周りは楽しそう。
s/v au,
北極油田