Sep 08, 2013 22:41
着陸まで30分のところに、機内アナウンスが鳴りはじめた。新人の乗務員の緊張でだろうか、声が震えているように聞こえた。と思ったら、「早朝のニュースが今入りました。2020年のオリンピックが東京で開催することになりました」と流れた。その瞬間を、喝采が漏れ出した。機内に広がった興奮にのろうとしたかのように、飛行機もぶるっと震えた。夜行便がやっと降下する時の朝の日差しが窓から差してきて、寝不足ながらも喜び出した乗客を照らしていた。その興奮を浴びる僕は、本心から誇りを感じた。日本に住んでいる者として、心の一部はもう日本に預けているだろうと、その時初めて感じた。二分化されたような自分はどうするだろうと、悩む。
夏休みにまた国に帰っていたが、今回は留学に来てから一番楽しい一ヶ月を過ごしたのだろうと思う。同じ母語・価値観を持つ親友と会って、音楽で遊んだり、心や関心ごとのこめて話したりしていて、外国生活で青春を失っていった僕を治してくれた友達に感謝している。やはりシンガポールが自分が自分でいられる唯一のところだなぁ、と反省している。未熟で金しか考えない社会ではあり、四季のないつまらない所でもあるが、生まれ育ったところだけに、どんだけ飛ぼうとしても、あそこからは離れはできない。
といいながら、離れよう。どうしても日本に住み続きたいんだ、と最近思うようになった。自分がもっと成長するし、長い歴史や文化を持つ社会のほうが刺激を与えてくれることもある。日本での生活を国ほど楽しめるように、これからもっとがんばる。それしかないのでやりきろう。