Mar 22, 2009 23:45
グルジア政府から日本政府に対し、国名表記変更の依頼があったそうだ。いわく「グルジア」という表記はロシア語でグルジアを表すGruziyaの転写であり、不愉快である。英語でグルジアを表すGeorgiaに基づいて「ジョージア」に変えて欲しいとのこと。ロシア憎けりゃロシア語まで憎しということだろうが、そこまでロシアが嫌いなんだな、と改めて感心する。
それならいっそグルジア語でグルジアを表す言葉を使ってほしい、と言えばいいのではないだろうか。でもそれだとさすがに大幅に変わりすぎて悪い、と思っているのかもしれない。グルジア語では自国のことをSakartveloと呼ぶ。「グルジア」とは似ても似つかない言葉だ。外務省では「ジョージア」だとアメリカのジョージア州と一緒で紛らわしいし、「サカルトヴェロ」だとあまりにも違いすぎてわかりにくいと苦慮しているらしい。当事者は真剣なのだろうが、あまりにも子供っぽ過ぎて笑える。
どうせならソ連が崩壊して独立した時に「サカルトヴェロ」と名乗っておけばよかったのだ。それなら混乱も少なかったはず。当時は15もの新しい国が誕生して、一気に色々な国名が出てきた。ソ連に関心のある人以外でグルジアの名前がソ連時代の共和国名から変わったことに気付く人など、ほとんどいなかっただろう。だが今ではソ連崩壊後の数々の政変や去年のグルジア紛争で、グルジアという国名はすっかり日本語の中に浸透している。それでも過去には「ビルマ」を「ミャンマー」という全く違う名前に入れ替えたこともあるではないか。そもそもなぜ英語に基づかなければならないのだろう。もともとのギリシア・ラテン語にちなんで、「ゲオルギア」にしてほしい、と言えばジョージア州とも混同しないのに。
別に相手が嫌がっている名前で呼びたいとは思わないが、英語にのっとって発音してほしいというのは何か変だ。