Controlled trial of sildenafil in advanced Idiopathic pulmonary fibrosis

May 03, 2011 15:29

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抄録会から。

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NEJM2010;363:620-8

背 景
シルデナフィルは,ホスホジエステラーゼ 5を阻害することにより、NOを産生し、血管を拡張させる。シルデナフィルは特に換気良好な肺の血管を拡張し、換気血流不均等を改善する。
 シルデナフィル投与により進行性特発性肺線維症患者の歩行距離,呼吸困難,QOL が改善されるという仮説を検証した.
進行性特発性肺線維症の定義は,一酸化炭素拡散能が予測値の 35%未満であることとした.

方 法
シルデナフィルの二重盲検無作為化プラセボ対照試験を実施した.
期間は2期間に分けられた。
第 1 期は 12 週間の二重盲検試験で,患者をシルデナフィル群とプラセボ群に割り付けて比較した.
Primary endpointは 6 分間歩行距離が 20%以上延長した患者の割合とした.
Secondary endpointは,動脈血酸素化,呼吸困難の程度,QOL の変化などとした.
第 2 期は 12 週間の非盲検試験で,全例にシルデナフィルを投与し,評価を行った.

結 果
2007年から2009年まで 180 例を試験に登録した.
89人がシルデナフィル群で、プラセボ群は91人であった。
Primary endpointである、6 分間歩行距離が 20%以上改善したのは,シルデナフィル群 89 例中 9 例(10%),プラセボ群 91 例中 6 例(7%)であり、有意差は認めなかった。(P=0.39).
Secondary endpointである動脈血酸素化,一酸化炭素拡散能,呼吸困難の程度,QOL には小さいが有意な差が認められ,シルデナフィル群のほうが良好な結果を示した.
第2期では特に差は認めなかった。
12週死亡率と急性増悪に差はなかった。
重篤な有害事象も両群では同等であった。

考 察
Primaryでは優位差を認めなかったが、呼吸困難とQOLで小さな差を認めたことは臨床的には重要と考える。
また、シルデナフィル群のほうがPaO2とDLCOが良好で、これは以前のデーターで認められるような、IPF患者における換気血流不均等の改善効果によるものと考えられた。

結 論
この試験では,主要転帰に関してシルデナフィルの有益性は示されなかった.一部の副次的転帰では良好な結果が得られたことから,さらなる研究が必要とされる.

抄読会での議論。

肺高血圧の評価は行っているのか→このスタディでは記載がない、心エコーはASルールアウト目的で行っている。
期間が12週と短いのはなぜか?
→比較的短期間の効果を期待したからでは?
NEJMに記載されたのは→180人の二重盲検試験のためか??
シルデナフィルが繊維化を抑制するという主張ではなく、換気血流不均等の改善という観点で述べられている。→ピレスパとの違い
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