その時

Jun 21, 2008 02:47





高速船から写真を撮って、この景色は絶対捕らえられないと思ってた。
ちょっと想像してみない?

青い海に囲まれて、果てしなく空間や距離
小島が一つ一つ視界に浮かび上がる

ふと彼女のことを思い出す
二年前に隣の部屋に住む
ある日、彼女が亡くなる

生死の境
わずかな距離を離されて
私と彼女の人生は、もう複雑に絡み合ったいる

彼女が死んでいる、私が生きている―
それは、なぜ
それは、なんて不思議なことと思える

息をのむほどの景観美
風が容赦なく顔にうちつける
ああ、今私がここにいる
生きている
なんて不思議なこと
生死の境

心のなかでつぶやく
「見て」「ああ、見える?」
こんな時に、私の目を通して彼女に驚くほど美しいものだけを見せてみたい
通じるかな、その気持ち
もうそんなに無邪気じゃない
でも、大切にする

ああ

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